補聴器と聴こえ Q&A
Q.どの程度の難聴になったら補聴器を使った方がいいの?
A.少し悪くなった状態、すなわち軽度の難聴の段階で早めに使い始めるのがいいと思います。
自覚症状としては次のようなことがあげられます。
- 対面での会話は聞こえるが、少し離れるとよく聞こえない、後ろから話されるとよく聞こえない。
- 何人かでの会話や会議で聞こえにくい。
- 講演会で内容がよく聞き取れない。
- テレビでニュースのアナウンサーの言うことはよく聞こえるが、ドラマのセリフが聞きとれない。
- テレビのボリュームを家族よりも大きくしないとよく聞こえない。
このような自覚症状を感じるようになってから1年以内で使い始められることが望ましいです。あまりひどくなってからでは補聴器を使って聞くことへの適応が難しいです。
Q.補聴器を使ったらもっと耳が悪くなってしまうのでは?
A.お耳にあった適正に調整された補聴器をお使いになる限り、そのようなことはありません。
実際、「補聴器なんか使ったらかえって耳が悪くなる」と思い込んで、ずっと補聴器を使わずに何年も頑張り通し、ついに高度難聴になって・・・もうこれ以上は無理という段階で補聴器を買いに来られる方がおられますが、もう時すでに遅しという場合が多いです。
補聴器を使い始めてから、補聴器をはずしたときの聞こえが以前よりも悪くなったように思うという方がおられますが、実際に聴力を測ってみると下がっていないことが多いです。
補聴器を使ってみて、それまでいかに自分が聞こえていなかったかを認識されるということだと思います。
Q.補聴器は両耳に使った方がいいの?
A.両耳の聴力が同じ位であれば、両耳に使われること(両耳装用)をお勧めします。
左右差があっても、それぞれに合わせた補聴器をお使いになれば片耳だけに使うよりはよく聞こえる場合が多いです。
両耳装用により音の方向感がわかりやすくなります。騒音下での聞き分けも片耳装用よりも改善されます。
かつて耳かけ型補聴器が主流であった時代は、見ための抵抗感が強く両耳装用の方は少なかったですが、最近では小型で目立たないオーダー補聴器を使われる方が増えるとともに両耳装用の方が増えています。当店では全体のお客様の半数近くが 両耳装用です。
ただし、ご予算の関係でまずは片耳だけに買われて、しばらくしてからもう片方の耳にもという方も多いです。
Q.もしも聴力が下がったり変動したら、新しい補聴器を購入しなければいけないの?
A.聴力の変動幅にもよりますが、成城補聴器では出力に余裕のある機種をお勧めし、聴力変動があっても買い直す必要がない補聴器をご案内しております。
もちろんその際の補聴器の出力の微調整は、成城補聴器ではすべて無料です。
Q.補聴器は何年位使えるの?
A.機種にもよりますが最低5,6年は使っていただけると思います。耐用年数は5か年と定められていますが、実際にはもっと長くお使いの方もおられます。
聴力が下がったら買い換えないといけないのかと聞かれることがありますが、余程の低下でない限り、補聴器の調整を変えることによって対応できます。
聴力の変化とともに、耳穴の形状が少しずつ変化することもあります。補聴器の形が耳穴の形に合わなくなってきて音漏れが生じ、ピーピー音(ハウリング)が出ることがありますが、こちらについては、形の作り変えで対応することができます。
Q.補聴器の電池は1個で何日間使えるの?
A.補聴器の電池寿命は、機種によって異なります。
補聴器の形状 | 空気電池 | 目安 |
耳あな型 CIC | PR 536 | 1週間程度 |
耳あな型 カナル | PR 41 | 2週間程度 |
小型 耳かけ型 | PR 41 | 2週間程度 |
中型 耳かけ型 | PR 48 | 3週間程度 |
オーダーメイド耳穴形補聴器と耳かけ形補聴器は空気電池を使います。
空気電池というのは、+面に貼ってあるシールを剥がして使いますが、一旦シールを剥がすと、補聴器を全然使わなくても、すなわちスイッチを切っていても少しずつ消耗します。
ですから、そんなに長く使っていないのにもう聞こえなくなったという方がおられますが、長期間放置している間に徐々に電池が消耗したと考えられます。
ポケット形補聴は空気電池ではなく、アルカリ・マンガン電池を使います。電池寿命は約150~200時間位です。これについては基本的に使った時間分だけ消耗します。
成城補聴器では電池消費が激しいデジタル機能(ノイズリダクション、衝撃音抑制機能、ハウリングキャンセラー、指向性 など)を使いません。
結果、それらを用いる調整に比べて約2倍から3倍程度、電池が保ちます。ランニングコストの面からも、成城補聴器のフィッティングはおすすめです。
Q.補聴器のレンタルは出来ますか?
A.ご要望があれば「レンタル」は可能です。また「店舗内でのお試し聴き」は初めての方すべてにしていただいています。
しかしながら成城補聴器では「お耳の形状に合っていない補聴器はよく聞こえない」という考えに基づき、ご提案しております。
一般的なシリコン耳栓や穴あきのオープンフィッティング補聴器では何か月聴いても良い聞こえには至らないと考えます。耳鼻咽喉科の先生も「補聴器にはトレーニングが必要」と仰っていますが、ご自身のお耳に合っていない形状の補聴器では、いくら長くお使いになってもトレーニング効果は得られません。
はじめは戦々恐々かと存じますが、まずはご自身のお耳の形にぴったりと合った補聴器で、真のきこえを体感してください。もしも合わなければカタチの作り替えは何度でも行いますし、返品(返金)も、もちろん承ります。
Q.最初だから安い補聴器から始めようと思っているのですが。
A.補聴器の性能、調整範囲、オプションは、機種によって異なります。
もちろん、お安い機種をご選択なさるお客様もいらっしゃいます。お客様が求めている聞こえがその補聴器と合致していれば問題ないと考えます。
しかし医師や認定補聴器技能者との相談無しで決めてしまっては、失敗する確率も高くなります。
当社スタッフの印象としては、初めて補聴器を御使用なさるお客様(難聴の程度が低い)ほど、感じる違和感が強い様に思います。「こんな聴こえにしてほしい」という要請に対して、調整の選択肢の幅が広がるのは、やはり高スペックの補聴器です。
長く使うことが出来る補聴器だからこそ、微調整が後々出来る様に、少し上位モデルをご選択なさることが結果的にお買い得だと思います。
お値段の安い理由・高い理由をしっかり把握なさった上で、本当に適した補聴器をご選択頂けることを願っております。